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​会長挨拶

 本会は2008年より「現場主義の教育(education for situated learning)」方針のもとに、自らが学習課題を見出し、その解決を自立して進めることができる医療者育成を目指しています。医療者には社会に生活する人々の医療ニーズに応えられる役割があり、その期待役割を担い続けられる医療者を育成するための現場主義の教育を模索し、その過程の根拠となる理論体系を医療教授システム学として実証的に構築してきました。
 人類未踏の高齢少子化の縮小社会、治す医療から支える医療へのシフト、世界的パンデミック新型コロナ感染症対応の経験は、恒久的な一つの解に正解を求めることが難しい時代となったことを確信する機会となりました。人材育成においても変化する状況に対応して多様な医療者育成システムを創造し続けることが必要であり、その基盤に医療教授システム学を位置づけています。医療教授システム学は、教授システム学をもとにした発展途上の体系であり、実装とともに更なる変化を続けていきます。
 15年目の節目として、本会の取り組みを振り返り、教授システムへの介入は成果を生みだしたのか?更なる改善の方向性は?との問いを現在までの評価と課題として中心におき、より良い方策に向け多様なアプローチや新たな視座を得たいと思います。教授設計からのアプローチ、組織論からのアプローチ、経済学的アプローチ、研究的アプローチなど多側面からのディスカッションや情報共有をとおして、医療者育成システムの普及の足掛かりを見出していきたいと考えます。さらなる発展にむけた人材育成の仕組みとして、様々な知見や新しいアイディアと繋がり、多様な医療実践と繋がる方策を考える機会としたいと思います。
 Post コロナに向けて、学習・教育は大きな転機を迎えています。節目の集会として実践報告、討議そして提言にむけて、多くの領域の方々との出会いをお待ちしております。

第15回日本医療教授システム学会総会

​会長 淺香 えみ子 東京医科歯科大学病院

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